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ご承知のように、NOCHは数多くのレイアウトを販売していますが、今年からすべてのZゲージのレイアウトに使われるレールはロクハン製のものに切り替わります。トランクに入ったレイアウトが3種類展示されていましたが、トランクでない通常の大小のレイアウトも同様に変更されます。ロクハンの商品の売り上げは昨対150%ということですが、いずれにしてもZゲージは全体的にみると小さなマーケットであるため、それほど大きな商売にはなっていません。
今回、ニュールンベルグ、そしてミュンヘンにある模型ショップを視察いたしましたが、昨年はロクハンの名刺を渡しても首をかしげられてしまいましたが、今年はどの店でも歓迎していただけました。ヨーロッパはHOゲージがメインであり、そしてNゲージ、そしてZゲージという感じです。Zゲージの売り場はすごく小さいのですが、徐々にロクハンが浸透しつつあります。写真はその中の一つの店舗の展示状況です。まだまだこれからという感じです。
ロクハンのすべての動力車(M車)には、トラクションタイヤ(ゴムタイヤ)が付けられています。その効能、そしてその詳細は、下記のようになります。
1) 車両の重量に限界があるZゲージの動力車は、車輪がスリップしてしまい、多くの車両を牽引したり、斜面を登るときにその牽引力に問題が出てきます。これを解決すべく、ロクハンの動力車にはすべてトラクションタイヤが付けられています。
2) トラクションタイヤの効果は絶大であり、2軸駆動車であってもトラクションタイヤなしの4軸駆動車よりも牽引力が上回る場合もあります。
3) 無論、4軸に全てトラクションタイヤを付けた方が良いわけですが、その場合、集電が上手くできなくなってしまう可能性が出てきます。ゴムタイヤですので、その車輪に関してはレールからの集電はできないからです。ロクハンではこの集電を良いレベルで維持し、しかもスリップを抑えるため、種々の工夫をしています。
4) 生産時におけるトラクションタイヤは、Zゲージの場合サイズが極小であるがため、技術的に非常に難易度の高いものです。極小の輪ゴムであり、一切のバリ、そして偏肉は許されません。また車輪に取り付けた状態においても上手くなじまず、偏心してしまいがちですが、それら全てが車体の左右の大きな揺れにつながります。ゴムの材質も非常にシビアな選択が必要となり、これを安定的な生産に乗せるために、相当な年月を必要としました。
5) トラクションタイヤを付けた場合、2軸駆動の車両であっても後部に約10両前後の客車等を引いて4%の勾配が登れるということを目安として設計がされています。その意味ではキハ52のように単独、もしくは数両編成で走行させる車両に関しては、2軸駆動であっても十分すぎる性能と言うことができます。
6) 機関車等、多くの車両を牽引させたい動力車に関しては、今後、4軸駆動の設計に変更するつもりでいます。ただし、それほど多く牽引する必要のない車種、もしくは形状的に4軸駆動が難しいと思われる車両に関しては、2軸駆動で設計します。どちらにしてもロクハンの全動力車にはトラクションタイヤは取り付けますので、十分な牽引力が期待できます。
7) トラクションタイヤ付きの車両であっても、やはり重量が重い方が有利であることは間違いありません。車体重量は、集電性能にも大きく影響するためです。
上記、超軽量のZゲージ車両を設計するにあたり、初期段階での数多くのテスト結果から導き出されたロクハンの車両設計の基本的な方向性です。皆様のよきご理解をいただき、今後ともその方向性に基づいて良い商品を作り続けていく所存でおりますので、引き続き皆様のご支援をいただけますようお願い申し上げます。
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